トイレを覚えないトイプードル

生後8ヵ月になるのにトイレをなかなか覚えず、ゲージから出すとゲージ内のトイレにはまったく戻らない、という相談を受けました。

こういうご相談はよくあるのですが、「トイレができるようになるかならないか」を決めるのは、犬の月齢が問題なのではありません。「飼い始めてから○力月も経つのに、飼い主さんが教えられない」ということが問題なのです。

飼い主さんの自宅を訪ねてみると、マンションの床はすべてカーペットが敷かれてあるタイプでした。犬には、液体が染み込むところでおしっこをする習性があるので、カーペットで覆われた床は、トイプードルの『マリー』にとってすべてがトイレになってしまう可能性があります。

粗相の場所ですが、飼い主さんは最初「特定の場所はなく、どこにでもする」ということでした。でもよくよく聞いてみると、家族が集まるテーブル付近がいちばん多かったのです。これはじつは大事なポイントで、マリーはトイレを覚えられずにいるだけでなく、マーキングによってメッセージを送り始めていた、ということになります。そうなると、トイレの失敗に対する対処だけではなく、単純な排泄以外のマーキングへの対処もしなくてはなりません。

「トイレのしつけ」と「マーキング」では、直し方が多少異なるので、注意してください。

マリーの飼い主さんご夫妻は、共働きでなかなかトイレのしつけができないとのことでした。しつけ教室に預けてしつけてもらうのはどうか、と相談を受けたのですが、私は「うまくいくかもしれないし、うまくいかないかもしれません」と答えるしかありませんでした。

私がトイレのレッスンのために伺ったお宅の愛犬で、「しつけ教室に預けたらとてもいい子になったけど、トイレだけは家でできない」というケースもありました。しつけ教室では完璧にできるのに、家ではダメだったのです。これは、子犬が「トイレができない」のではなく、「家でトイレをどうしたらいいのか学習できていない」ということ。

この件に関して、しつけ教室で犬の預かりトレーニングをしているドックトレーナーの友人に話を聞いてみました。友人の教室では、トイレの問題で預かった場合、ゲージから出して遊ばせているときにトレーナーがついて、排便やマーキングをしそうになるとすばやくトイレに誘導してほめる作業をするそうです。

これによって「トイレで排泄するとほめてもらえる」という学習が進み、シート上での排泄が完璧にできるようになったら自宅に戻すそうですが、ただ戻すだけではなくその後のフォローが必要とのこと。つまり、家でのトイレトレーニングに関して、トレーナーが飼い主さんの自宅に伺って指導をするとのことでした。

友人のしつけ教室から自宅に戻った犬が、どのくらいの確率で家でもちゃんと決められた場所に排泄できるようになるかというのは、データを取っていないため正確にはわからないそう。犬によっては前述のケースのように、「家ではダメだった」という場合もあり得るということでした。

トイレを覚えさせるためには、とにかく成功させてほめる機会を作ることが大事です。ただ言葉でほめるだけでなく、大好きなおやつをあげたほうが学習効果が上がります。トイレを覚えるスピードは、排泄した回数のうちで何回ほめられたか、つまり「ほめた回数/排泄の回数」というパーセンテージで決まります。なので、できるだけほめてやれるような工夫が必要です。まず排泄しているかどうか見やすい環境を作ることと、排泄のタイミングを知ることが大切です。